突然ですがヤンゴンお散歩部ですこんにちは。
Wikipediaみたいでつまらない、硬い等々散々な評価を頂いておりますので、今年は趣向を変えてゆるいお散歩ブログにしていきたいと思います。
そんなわけで記念すべき第1回は、コロニアル建築が多く残るヤンゴンの中でも特に重厚な建築が多いパンソーダンの下ブロック。
ミャンマーに旅行に来る方はヤンゴンにあまり日数を割かないようですが、時間はなくともせめてここだけは歩いてみて欲しいかなと思います。
さてまず起点は川沿いのストランド通りです。
1. Kyauktada Tonwship Court
Address : 1-25 Pansodan Street
まず左側に2つのドームが特徴的な少し可愛らしい建物。
かつてはAccountant General's Officeとして使用されていたもので、1900年ごろの建築です。
昔は北側にも建物があったけど日本軍による爆撃で破壊されてしまったとか。
現在でも破壊の跡が少し見られます。
現在はKyauktada Townshipの裁判所として使用されており、平日は内部立入可能。
内部の螺旋階段は必見!!
2. Myanma Port Authority
Address : 2-20 Pansodan Street
続いて右側。鐘楼を思わせる塔が特徴的なこれは港湾局ですね。
1928年に完成したもので錨や船のレリーフがこの建物が海に関係することを物語っています。
Thomas Oliphant FosterとBasil Wardによる設計で、施工会社はClark & Greig。
20世紀前半のラングーンはイギリス帝国でも3番目の港だったとか。
3.Yangon Heritage Trust
Address : 22-24 Pansodan Street
そしてPort Authorityのお隣にあるのはYangon Heritage Trustの本部。
僕と志を同じくする、ヤンゴンの歴史的な建築の保護を目的としたNPOです。
ただそんな組織が入居してる割にこの建物の歴史に関してはほとんど不明。
ちなみにこちらはヤンゴンのHeritage Tourを開催してます。
結構いいお値段しますけど興味ある方は是非。
さてここで左に曲がるとBank Roadとなりますがそのまままっすぐ進みます。
4. Myanma Economic Bank Branch 2
Address : 27-41 Pansodan Street
左側にあるアールデコっぽい建物は1941年に完成したもの。G. Douglas Smartによる設計です。
かつてはChartered Bank of India, Australia and China(現Standard Chartered Bank)のラングーン支店として、また日本占領時代は横浜正金銀行(現三菱UFJ銀行)が入居していました。
柱の様式や六角形の中央部分等、特徴的な感じであまりコロニアル建築っぽくない印象。
ちなみにヤンゴン初の地下駐車場を有した建物です。
現在はMyanma Economic Bank Branch 2として営業中。
5. Myanma Agricultural Development Bank
Address : 26-42 Pansodan Street
そしてそのお向かいにあるのはMyanma Agricultural Development Bank。
1930年ごろの建築でThomas Oliphant FosterとBasil Wardによる設計。①のMyanma Port Authorityと同様ですね。
かつてはNational Bank of Indiaとして、1970年から1996年までは国立博物館として使用されていました。
中央の重厚な扉とキラキラした車寄せ、そして屋根についたライオンの彫像がチェックポイント。
Yangon Heritage Trustによって6番目のBlue Plaqueに指定されています。
6. Myanma Economic Bank Branch 1
Address : 43-45 Pansodan Street
そして反対側にある他と比べると小規模なのはかつてのLloyds Bank。
1921年ごろの建物です。
現在はMyanma Economic Bank Branch 1として営業中。
ダウンタウンに残る銀行系コロニアル建築でなぜかこれだけYangon City Heritage Listに掲載されてないのはヤンゴンコロニアル界隈最大の謎。
7. Inland Water Transport
Address : 44-54 Pansodan Street
そして続いて「世界最大の内陸水運会社」と呼ばれたIrrawaddy Flotilla Companyです。
1933年竣工でArthur G. Brayによる設計。施工会社はArthur Flavell & Company。
六対のコリント式オーダーと上部の貝のレリーフが美しい。。。
一段奥まった作りは直射日光を避ける役割をしているとか。暑い国ならではの工夫ですね。
残念ながら内部には侵入できませんが、入口があいていることが多いのでちらっと中も見えます
8.Myanma Economic Saving Bank Branch 1
Address : 49-53 Pansodan Street
この区画で唯一の非コロニアル建築。
独立前の同住所にはEllerman's Arracan Rice & Tradingの本社が入っており、きっと立派なものが建っていたんだろうなぁ・・・と思いを馳せるスポットです。
9. Sofaer's Building
Address : 58-62 Pansodan Street
バグダード出身のユダヤ人商人、Isaac A. Sofaerが自身の設計により建てたもの。1906年完成。
諸外国の高級品を販売するデパートだったそうです。アジアのSelfridgeと呼ばれたとか。
現在はレストランやお土産屋さん、上階は画廊やホステルになっているので中にも入れます。
特に上階はほぼ改修されてないので当時の雰囲気を感じられるかも。
Yangon Heritage Trustによって8番目のBlue Plaqueに指定されています。
10. Department of Internal Revenue
Address : 55-61 Pansodan Street
1932年に完成したRander House。Randerはインド北西部にある都市です。
その都市出身の商人が建てたもので他の建物と比べると少し近代的な印象を受けるかな。
ちなみにその商人たちは第二次世界大戦前後で地元に戻ったらしく、今でもRanderの街ではRangooni ParathaやKhaowsue/Khausaといったミャンマー料理っぽいものが食べられるとか!
一度行ってみたいですね。
というわけで下ブロックは以上となります。第1回はこんなもんでしょう。
①Accountant General's Officeと⑨Sofaer's Buildingを除けば中期~後期のコロニアル建築になりますね。
銀行や財務局等、この通りが当時のビジネスの中心であったことが伺えます。ラングーンのウォールストリートといったところでしょうか。言い過ぎですね。
ちなみにPansodan StreetはかつてPhayre Streetと呼ばれていました。
これはイギリス植民地時代の初代ビルマ弁務長官(Chief Commissioner)、Arthur Purves Phayreからとられています。
それから100年前に思いを馳せる参考資料として、当時の写真もご覧ください。
Phayre Street(1895年ごろ)
Phayre Street(1910年ごろ)
"Twentieth Century Impressions of Burma"より
上2枚はほぼ同じ場所からの撮影ですね。
Bank Roadのところなので④MEB Branch2の手前らへんです。
2枚目の奥にはうっすらと⑨Sofaer's Buildingが見えますね。
3枚目は同じ場所から南を向いて①Kyauktada Tonwship Courtがよく見える感じです。
ちなみに夜のライトアップはしょぼいのでわざわざいかなくてもいいと思います。
第2回があるかは今のところ未定ですがお楽しみに!
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