㈱日本設計と㈱鴻池組により建てられた20階建てのサクラタワーの隣には、赤レンガ造りの4階建て建築物がある。
この建物はかつてビルマにおけるキリスト教伝道の中心的な場所であった。
Robinson & Mundyによる設計で1910年の竣工。(同人による設計は他にBritish Embassy)。
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1804年、世界中へ聖書を普及させることを目的としてイギリスで"British & Foreign Bible Society"(英国外国聖書協会)が設立された。
この組織はエキュメニズム(キリスト教の教派を超えた結束を目指す主義)を指向し、上記目的達成のために聖書の翻訳や出版、配布などを行っていた。
1889年にBritish & Foreign Bible Societyはビルマに支社を設立し、1910年にその事務所としてこの建物が建てられ、以降現在までミャンマーにおけるキリスト教伝道の中心であり続けている。
1962年のクーデターでネ・ウィン(Ne Win)が実権を握ると、外国人宣教師たちは国外退去となってしまった。
またBritish & Foreign Bible Societyも、国家主導のもと現在の"Bible Society of Myanmar"と名称を変え、British & Foreign Bible Societyから独立した組織となる。
しかしながら本質的な部分に大きな変化はなく、現在まで変わらずに聖書やキリスト教関連書籍をビルマ語のみならず、少数民族の言語に翻訳して布教活動を行っている。
1969年からは"United Bible Societies"(聖書協会世界連盟)の所属となり、現在までにビルマ語含む71の言語で聖書の翻訳を行っているという。
なお、初めて聖書のビルマ語翻訳が出版されたのは、1835年まで遡る。
この翻訳はアメリカ人のAdoniram Judson (1788/10/09-1850/04/12) により行われ、1823年に新訳聖書を、1834年に旧約聖書を訳し終え、1835年に初のビルマ語聖書が出版された。
Adniram Judsonはアメリカ人宣教師(バプティスト派)で1813年にビルマに到着してから1850年に死ぬまでの間、ほとんどの期間をビルマで過ごし、キリスト教伝道に生涯を捧げ、ビルマのキリスト教は彼から始まったといっても過言でないほどの影響を及ぼした。
現在でも彼の訳したJudson版と呼ばれる聖書はこの国において最もスタンダードなものとなっており、彼の名を冠した教会も存在する。
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参考文献:
Dom Pub
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