福建省出身の華僑たちにより建てられたヤンゴンで最大規模の中国寺院。
1863年創建で、現在の建物は1903年(光緒28年12月)に完成したもの。航海・漁業の神である媽祖(まそ)を祀る。
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イギリス植民地時代のビルマにおいて、中国からの移民は主に広東省と福建省から来ていた。
そのうち福建省からの移民は主に交易を生業にして大きな利益を上げており、そういった事情から航海の安全を祈るべく、媽祖を祀る寺院かつ川沿いの立地となっている。
設立には福建出身の代表的な実業家であるLim Chin Tsong(林振宗)やChan Mah Phee(曾廣庇)の協力もあったという。
中央の祭壇には媽祖と、その後ろに観音像が、そして両側にGuan Gong/Guan Yu(関帝)とBaosheng Dadi(保生大帝)が祀られている。
寺院の入口にある4体の像は2011年11月にこの寺院の建立150周年を記念して建てられたもの。またその際に寺院全体の修復工事も行われた。
かつては広東・福建を中心としていたビルマの中国人コミュニティも1931年の国勢調査の時点ですでに半数以上がビルマ生まれとなり、また第二次世界大戦を前後して、多数の広東系移民たちはビルマを離れていった。
現在では中国語(広東語/福建語/北京語)を話せない土着化した華人も多くおり、この寺院ではそういった人たちへの中国語の講座を行ったりもしている。
また近隣には高齢者向けの無料診療所もあり、その他にも新たな移民に対する住居・仕事の相談や、Yayway Cemeteryにある中国人墓地の管理を行うなど、祈りの場としてだけでなく華人社会の中心として重要な役割を果たしている。
参考文献:
University of Washington Press
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