かつてTejoomal Buildingと呼ばれたこの建物はイギリス領インド帝国のシンド(現パキスタンシンド州)からやってきた商人により経営された、ビルマ最古の骨董品店であった。
竣工年・設計者ともに不明。
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シンドからビルマへやってきたT. Khaimchand Tejoomalは1888年にラングーンにて事業を開始する。
主に東洋の骨董品を取り扱い、銀食器や絹、絨毯や彫像といった魅力的な商品を日本を含むアジア各国から仕入れ、ヨーロッパからラングーンを訪れる旅行者にとって、彼の経営する店は定番の観光コースとも言えるほどであったという。
またラングーンのみならずBassein(現Pathein)やMoulmein(現Mawlamyaing)にも支店を有しており、当時のTejoomal一族の繁栄ぶりが伺える。
なおT.K.Tejoomalは1928年時点で神戸にも事務所を有していた。
当時の日本におけるインド人コミュニティは、明治以降貿易港となった神戸と横浜が中心であったが、関東大震災を契機に横浜のインド人たちの多くが神戸へと移住したことから、神戸がその中心となっていた。
1935年(昭和10年)には日本で最初のモスクとして神戸ムスリムモスク(Kobe Muslim Mosque)が建てられたのもこうした経緯が関係している。
日本軍による占領時代に関しては不明だが、独立後は再び営業を開始。
1962年にネウィンによるクーデターとそれに伴う国内事業の国有化が行われるまでの間、長年にわたり事業を継続していた。
以降は労働局の事務所として使用されていたが、その後Kyaw Home Martというスーパーが入居し、そして現在はゲームセンターのAlibabaやレストラン(Lion World)、電気店(Nan Myint Electronic Centre)や宝石店(Myint Tun Oo)等の一般商業施設が入居している。
建物南側の1, 2階を占有するAlibabaの内部には当時のものと思われる柱も残されているが、残念ながら内部撮影は禁止。
なお現在Kyaw Business Groupのロゴが掲げられている部分には、かつて時計があったという。
Cambridge University Press
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