シュエダゴンパゴダの南に位置するDhammarakhita Hillの上に建つこのパゴダは、1980年に当時の大統領であったNe Win(ネウィン 本名:Shu Maung 日本名:高杉晋)がビルマ全土より寄付を募り建立したものである。
近代的な装飾を施された外観に加え、パゴダ内部にも入ることができる比較的に珍しいパゴダで、内部には仏陀の生涯に関する壁画や天井画、また当時のネパール王国の国王(Birendra Bir Bikram Shah Dev)と王妃(Aishwarya Rajya Lakshmi Devi)から贈られた仏像が安置されており、中央部分には菩提樹を模したプラスチック製の木とプラネタリウムを思わせる天井画等、様々な点で特徴的なパゴダとなっている。
また仏塔上部にある11層のHti(ティ)と呼ばれる傘のような飾りはNe Winにより奉納されたもの。
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公式には、このパゴダは1980年5月24日から27日にかけてガバエーパゴダ(Kabar Aye Pagoda)で開催された「全宗派サンガ合同会議(Gaing Paungson Thanga Ashiawe Pwekyi)」を記念して建てられた。
この会議は「国家サンガ大長老会議」のもと、既存の上座部仏教9宗派を一元化し、上座部仏教の「浄化」、「永続」、「布教」を目指すことを目的とした。
もともと国民の大多数が上座部仏教(Theravada Buddhism)を信仰しており、ビルマの歴代王朝でも国王がサンガと呼ばれる出家者の集団を支援し、一方でサンガは仏陀の教え(Dhanmma)を学び伝え、そのDhanmmaに則った統治を国王が行うことでその王権の正統性を賦与するという、表面的には国王とサンガは互いに対等の関係を築いてきた。
この「全宗派サンガ合同会議」が国家主導で開催され、統一サンガが成立されたことは上記の「対等な関係」のバランスを崩し、実質的には政治権力が宗教権威への干渉を強めた結果となる。
(詳細は「土佐桂子:ミャンマー軍政下の宗教 サンガ政策と新しい仏教の動き(2012)」参照)
こうした公式の理由のほかに、Ne Win自身が功徳を積むために建立した、歴代のビルマ王がパゴダを建立したように自身を王に見立ててパゴダを建立した、といった説もあるが、これらの真偽はともかく、パゴダ自体は非常に美しいものとなっており、ミャンマー人たちにとっても信仰かつ憩いの場となっている。
また夜間はライトアップも行われている。
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