「人類の進歩と調和(Progress and Harmony for Mankind)」を掲げ、1970年に開催された日本万博博覧会(大阪万博)。
高度経済成長を経て、1968年にはGNPが西ドイツを抜き世界第2位となり、経済大国となった戦後日本の象徴的なイベントとして、開催中延べ6400万人以上の入場者があったという。(当時の日本の人口は1億3百万人)
開催中、世界各国(参加は77ヵ国)のパビリオンが建設され万博を彩っていたという。
その中で現在も残っているものは数少なく、そのうちの一つがこの広陵自治会館。
かつてのカンボジアパビリオンである。
スポンサードリンク
1970年に神戸電鉄有馬線に北鈴蘭台駅が開業されるなど、万博の時期を前後してこの地域の宅地開発が進んでいた。
その中で広陵地区の住宅開発を行っていた業者が「パビリオンのある住宅地」をキャッチフレーズに住宅販売を進めようとし、万博終了後の1971年にカンボジアパビリオンを買い取り、移築したという。
宅地の中に突如現れるオレンジ屋根の建物は存在感がすごい。
カンボジアパビリオンはウク・ソメス氏による設計で、「新クメール建築」と呼ばれるカンボジアの伝統文化とモダニズム建築を融合したスタイル。
元々は2階建の建築であったが、現在は吹き抜けのワンフロアに改築されており、中庭にはアンコール遺跡の石像(レプリカ)が並んでいるらしい。また内部にも万博当時の展示物が残っているとか。
訪問時内部使用中だったため確認できず。
一時、老朽化から解体の話もでたが、カンボジア大使館からの存続要望もあり広陵町自治会の積立金での改修が決定。
2020年までに改修工事を終える予定という。
参考:
万博記念公園 カンボジア館
大阪万博「カンボジア館」集会所として余生(神戸新聞NEXT)
「カンボジア館」存続 神戸の自治会が改修へ(毎日新聞)
スポンサードリンク
0 件のコメント:
コメントを投稿