Basic Education High School No.6 Botahtaung (Saint Paul's High School)

2017/08/25

Botahtaung Yangon City Heritage List

t f B! P L
Address : Anawrahta Road, Botahtaung Township, Yangon



17th Blue Plaque

ミャンマーでも最も古い学校のうちの一つで、現在でも所謂名門校の一つ。
同じくYangon City Heritage ListであるSaint Mary's Cathedralの南側に位置する。
もともとSt. Mary's Cathedralの土地はこの学校の土地で、当時のインド政府により無償提供されて現在の大聖堂が建設された。
また南側道路をはさんで反対側にはアウンサン将軍暗殺の舞台となったSecretariat Office(Ministers' Office)がある。
現在も学校として使用されているため一般立入不可。
学校の南側に面するAnawrahta Roadはかつて設立者の名前をとって"Bigandet Street"と呼ばれていた。


1858年、当時AvaとPegu(現在のインワとバゴー)の司教(Vicariate Apostolic of Ava and Pegu)であったPaul Ambroise Bigandetの要請に応じて、カルカッタから3人のラ・サール修道会(De La Salle Brothers)修道士がモーラミャインに到着。1860年4月にモーラミャインに最初のLaSallian High School(Saint Patrick's School)を設立。
その後3人の修道士はモーラミャインからラングーンに移り、1860年、Bigandet宅の近くに学校を設立。これがミャンマーで2つ目のLaSallian High SchoolとなるSaint Paul's High Schoolの始まりとなる。
設立当初はBarr Street(現在のMaha Bandula Park Street)にある小さな木造の学校だったが、規模拡大により、1885年に現在の場所に移動。
現存する建物はその時に建てられたもので、U字型の両翼は1900年から1908年の間にThomas Swalesの設計により増築された。
また1922年にはミャンマーで最初の科学室(Science Laboratory)を、1930年代後半にStudy HallとRefectoryを増築。
当時の授業は英語で行われ、生徒はイギリス人の官僚やAnglo-Burmese/Anglo-Indian、またビルマ人富裕層の子息が中心であった。

1965年4月1日にその他のミッションスクール同様、社会主義政府により国営化されBEHS No.6 Botahtaungと改称され、教育言語も英語からミャンマー語に代わった。
以後、本来のカトリックミッション系という設立当初の意義は失ったが、現在でも卒業生による"the Old Paulians' Association(1960年設立)"が存在しており、名門校としての存在は失われていない。

モットーはラサール修道会と同様、ラテン語で"Signum Fidei(信仰の印)"。


政界・財界・芸術その他様々な分野に多数の著名な卒業生がいる。
・Ba Cho : 独立前ビルマの情報相。1947年7月19日に暗殺された殉教者の一人。
・Ba Maw : 英国領ビルマの初代植民地政府首相、日本占領後のビルマ国(State of Burma)国家元首。
・Aung Zan Wai : パンロン協定調印に尽力。
・Tin Tut : ビルマ連邦(Union of Burma)初代外相。
・Serge Pun : Yoma Bank、SPA Group代表。フォーブスアジア版2013年8月号にてシンガポールの長者番付38位。
・Lim Chin Tsong : 1867年生まれの実業家、華僑。Paul Bigandetのお気に入りの生徒だったらしい。Bahan TownshipにあるLim Chin Tsong Palaceも有名。
・Isaac A. Sofaer:1867年バグダード生まれのユダヤ人実業家。1906年に建てられたSofaer's Buildingも有名。


また2017年3月2日にYangon Heritage Trustにより17番目のBlue Plaqueに指定された。
その際にYHT代表であるThant Myint-U(U Thant国連事務総長の孫)は
「ダウンタウンの歴史的な建築物というと、ほとんどの人は『英国植民地時代』を想像するが、これらの建築物は植民地時代のものであると同時に『反植民地運動』の遺産でもある。これらは反植民地運動の苗床になったもので、反植民地運動において非常に重要な役割を果たしてきた。
また今後世界と繋がり、未来のミャンマーを創る次の世代のための場所でもある。
この学校をBlue Plaqueに指定したのは、ここが植民地時代の保存すべき建造物だからではなく、この場所が、現在のミャンマーが生まれた重要な場所の一つだからだ。」
と語っている。

なお、びっくりするほどどうでもいいが、ラサール石井の出身校であるラ・サール高等学校も同様にラ・サール修道会によって設立された。
2017/02撮影
2018/01撮影


参考文献:



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散る散るミチル

ヤンゴンのコロニアル建築を中心にミャンマーのニッチな観光情報をまとめています。
日本帰国後は日本にあるミャンマー関連のものを中心に取り扱ってます。

最近は仏舎利ハンターに転職して全国各地の仏舎利塔を巡っております。夢は「新版 日本の仏舎利塔」の発刊と故郷に仏舎利塔を建立すること。

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