イギリス植民地下のビルマにおけるタミル人宣教の中心となったこのSaint Anthony's Catholic Churchは1877年の創建と、ヤンゴンに現存するカトリック教会の中でも古い部類に入る。
1875年2月18日にPaul Amboise Bigandetにより礎石が置かれ、1877年11月18日に献堂式が行われた。
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ビルマにおけるカトリックの歴史は1511年まで遡ると言われている。
しかしながら本格的な宣教活動は前述のPaul Bigandet(MEP:Paris Foreign Missions Society)がビルマの司教代理に任命された1856年まで待たねばならない。
もともとマレーシアのジョージタウンで宣教活動を行っていたBigandetは1856年にラングーンに来てから1894年に死亡するまでラングーンに住み続け、カトリックの宣教だけでなく教育機関の設立等、後進の育成に尽力した。
Bigandetがラングーンに移住してきた当時、カトリック教会は2か所あったと考えられているが、彼の熱心な宣教活動により信徒が増加したことから新たに教会建設の話が持ち上がる。1872年に植民地当局から現在St. Anthony's Churchが建っている土地を無償で提供され、Bigandetと同じくMEPのJean-Louis Le Rouvreurが中心となりこの教会が建設されることとなった。
上述の通り1875年に礎石が置かれ、2年の歳月をかけて1877年に完成したこの教会は、以降インド南部から移住してきたタミル人カトリック信徒たちの中心的な祈りの場となっていく。
1977年には教会の100周年記念式典が行われ、入口上部にSaint Anthonyの像が捧げられた。
またこの教会では聖母マリアの生誕の日である9月8日が大々的に祝われる。
これは信徒の多くがタミル人であり、彼らの出身地であるタミルナードゥ州のVelankanniという街で16世紀と17世紀に「聖母の出現」があったことに由来している。
ただしこの「聖母の出現」は教皇庁公認のものではない。
1937年に寄贈された洗礼盤 |
参考文献:
Arnold Wright
White Lotus Co Ltd
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