かつてSir Po Tha Hospitalと呼ばれた赤レンガ造りのシンプルなコロニアル建築は1930年の竣工。
1928年1月20日に当時のビルマ総督であったCharles Alexander Innes(在任:1927/12-1932/12)により礎石が置かれ、1930年に完成。
消えかかってはいるが、ペディメントにはアスクレピオスの杖らしきもの(2匹の蛇なのでカドゥケウスの杖に近い)が描かれており、この建物が医療機関であった証左ともいえるだろう。
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この病院は米の取引で財を成したビルマ人商人であるSir Po Thaの寄付により建設された。当時は50の病床を有する病院でSir Po Tha Hospitalと呼ばれていた。
独立後の1952年には病床を100に増加、1965年には整形外科や歯科、放射線科といった専門科もでき総合病院となる。
1996年に隣地に新たに3階建ての病棟が作られてからは病院機能はそちらに移行し、以降は病院勤務者のための宿舎として利用されている。
Sir Po Tha(U Po Tha)はこの病院以外にも寝釈迦像で有名なチャウッタージパゴダ(Chauk Htat Gyi Pagoda)や付設の僧院、シュエダゴンパゴダ(Shwedagon Pagoda)の北側にある、過去七仏のうち釈迦如来仏(所謂「お釈迦さま」)に捧げられた祈祷所、マンダレーのKuthodaw Pagodaの修繕等、数多くの寄付を行っている。
当時のラングーンにおいて、立法議会やTrustee of the Shwedagon Pagodaのメンバー、Burma Landowners Associationの会長を務めるなど社会的地位も高く、上記の社会貢献活動が認められてか、1927年にはイギリス王室よりナイトの称号(Knight Bachelor)を授与されている。
1933年に心不全により死去。享年76歳。
Insein General Hospitalは現在も病床数500を有する総合病院としてヤンゴン北部の医療の担い手となっている。
参考文献:
Springer (2013-10-04)
Networks of Material, Intellectual and Cultural Exchange, Volume 1
Iseas-Yusof Ishak Institute
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