500年近い歴史を有するといわれる伊豆の古刹、妙蔵寺。
駿河湾を挟んで富士山を望むその境内の一角には「世界平和パゴダ」と名付けられたパゴダが存在する。
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妙蔵寺第36世住職の佐治堯英(1920-1995)は第二次世界大戦において独立有線第94中隊としてインパール作戦に従軍した。作戦に参加した大半の将兵が死亡した「史上最悪の作戦」を生き延びた彼は、1946年8月に帰国を果たす。
戦後、当寺の住職と地元土肥中学校の国語教師を務める傍ら、生涯にわたり戦地で命を落とした戦友の供養と遺骨の収集を続けた。
その供養の1つの形として、1970年(昭和45年)、約5年間にわたる托鉢で集めた資金をもとに妙蔵寺境内に「世界平和パゴダ」を建立した。その落慶式には当時の駐日ビルマ大使も臨席したという。
1971年(昭和46年)には戦友の遺骨収集のため、戦後初めてビルマを訪問する。その際はラングーン(現ヤンゴン)、マンダレー、ザガインを歴訪し、遺骨調査とともに慰霊祭を行ったという。また1976年(昭和51年)には第二次ビルマ方面戦没者遺骨収集政府派遣団に参加し、ロイコーやタウンジーでの遺骨収集を行った。
なお、パゴダ内に安置された仏像は、遺骨収集の際にビルマから持ち帰ったものだという。
また境内にある「平和の鐘」は、サイパン島やその他海外で死亡した将兵の金歯を入れて鋳造されたもので、1986年(昭和61年)に完成したもの。
「折り鶴の祈り」と「平和の子の像」 |
本堂 |
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