赤レンガ造りの3階建ての建築物は1905年に竣工したBalthazar & Son(1856年設立)のかつての本店。
「東アジア最後のフロンティア」と呼ばれて久しいミャンマーの発展から、忘れ去られたように英国植民地時代の空気を今に伝える貴重な建築物。
現在は一般住居や事務所として使われており、内部見学も可能。
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1905年に建てられたこの赤レンガ造りの重厚なエドワーディアン様式の建物は、当時ラングーンで隆盛を誇っていたアルメニア人商人、Balthazar & Sonの本店であった。
(*Balthazar & Sonについてはアメリカ大使館の記事参照)
イタリア産大理石の床タイルや、ラングーンでは最も早い段階で導入されたエレベーターを備えるなど、いかにBalthazar & Sonが当時のラングーンで成功していたがよくわかる。
現在でも当時のタイル、半世紀以上前に役割を終えてしまったエレベーターを見ることができるが、長い間管理されることなく熱帯特有の風雨にさらされ保存状況はあまりよくない。
蜘蛛の巣やカビ、錆が至るところにあり、かつては美しい中庭であっただろう場所も現在は住民のごみ捨て場になってしまっている。
しかしながら天窓から入る光によりうっすらと照らされた内部には、各所に当時の繁栄ぶりを見出すことができる。
一説によると1918年まではBalthazar一族が住んでいたが、その後はインド人商人に買い取られ、ドイツのシーメンス(Siemens)が入居したり、1931年にBank Streetを挟んで反対側に裁判所ができてからは法律事務所としても使用されていた。
1962年のクーデーター以降はMinistry Of Livestock, Fisheries and Rural Developmentなどのオフィスとして使用されていたようだが、現在は一般住居及び事務所として使用されている。
現在向かいの裁判所だった建物はケンピンスキーホテル(Kempinski Hotel)へと改修工事中だが、当時の名残からか現在でもいくつかの法律事務所が入居している。
また北側に隣接する、かつてのアメリカ大使館は1926年にBalthazar & Sonによって新たな本店として建てられたもの。
参考文献:
Dom Pub
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