単性論・両性論・合性論

アルメニア使徒教会の流れで調べてみた。
アルメニア使徒教会は合性論を支持、主流派は両性論を支持。


・単性論（Monophysitism）
イエス・キリストの神性を特に強調する説。
受肉（インカーネーション）以前のキリストにおける神性と人性の両性は、受肉後、神性が人性を吸収して単一の性になったとする考え方。
→位格も本性も一つで、もともとあった人性は神性に吸収されて神性のみが残る。

・両性論（Dyophysite）
イエス・キリストは神性と人性という二つの本性を有するという説。
完全に神である（＝神性）と同時に完全に人（＝人性）であるという考え方。
一つの位格の中に混合しない二つの本性を有し、それぞれが固有の能力を有し異なった作用をするが、唯一の位格の中で永遠に連繋を成す。
→一つの位格に二つの本性を有する。

・合性論（Miaphysitis）
イエス・キリストの一つの位格の中で神性と人性は合一して一つの本性になり、二つの本性は分割されることなく、混ぜ合わされることなく、変化することなく合一するという説。
→位格も本性も一つだけど、その一つの本性の中に神性と人性が独立して存在している。


以上まとめてみたけどこうやって見ると、確かに非カルケドン派の主張（合性論）と単性論は似ているようで違うものだというのが良く分かるかも。
単性論と合性論が同じところは位格が一つでその中に両性（神性と人性）が存在するとこ。ただ単性論は最終的に人性が消えてしまい、神性のみの単一の性になってしまう。
それに対して合性論は両性が合一したあとも混ざりあわず、変化せず、分割もされず一つの性の中に存在する・・・そういう意味では両性論とそこまでの違いはないのかな。
両性論は本性自体が二つあり、それが混ざることも変化することも分割されることもない。両性論と合性論の違いは本性が一つか二つかというところ。

近年になってアルメニア教会とカトリックの間での対話が進んでいるのは、カルケドン信条に対して大きな違いがないからなんだろう。
アルメニア教会の主張としても、カルケドン信条を否定するのは文章上の定式化に難点があるから、だという話もあるらしいし。
ただ神性と人性が存在しているという部分はともかくとして、本性が一つか二つかというのは…大きな違いなんだろうか。詳しい方教えてください。


ちなみにカルケドン信条を承認している（＝両性論を支持している）のは
・カトリック教会
・正教会
・プロテスタント教会
なので実質ほとんどの教会が両性論を支持しているようです。



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