キリスト教・非カルケドン派の教会。信者は約500万人。
アルメニア正教会(Armenian Orthodox Church)とも呼ばれる。
東西教会の分裂以前、451年のカルケドン公会議の後分離独立をしているが、分類的には東方教会に入る。
一般的に単性論教会と言われるが、アルメニア使徒教会自身は単性論教会であることを否定しており、カルケドン公会議を承認しないことから分離した教会のため、より中立的な分類として「非カルケドン派」とされる。
アルメニア使徒教会は単性論ではなく合性論(一性論)を支持する。
なお、非カルケドン派にはコプト正教会(エジプト)、シリア正教会、エチオピア正教会等がある。
またアルメニアは世界で最も早く(301年)キリスト教を国教と定めたことでも有名。
東方正教会と祭服の形や奉神礼の形式などに多くの共通点があり、見た目に似通っている部分も少なくない。20世紀以降、ローマカトリック教会や東方正教会とは対話が進んでいる。典礼は荘厳で保守的。
アルメニア人がアルメニアンディアスポラにより世界各地に散ったため、信者の半数以上がアルメニア本国以外の在住であり、ヤンゴンにもアルメニア使徒教会が現存している。
教会の長はカトリコスと呼ばれる。アルメニアの首都エレバン西郊にあるエチミアジンにカトリコス座がある。現在のカトリコスはガレギン2世。
分離独立の原因となったカルケドン公会議においての第一の議題は単性論の排斥であり、結果的に両性説を採用した。
以下、アルメニア使徒教会が承認していない、カルケドン信条を引用する。
カルケドン信条(Covenant Protestant Reformed Churchより)
われわれはみな、教父たちに従って、心を一つにして、次のように考え、宣言する。
われわれの主イエス・キリストは唯一・同一の子である。同じかたが神性において完全であり、この同じかたが人間性においても完全である。
同じかたが真の神であり、同時に理性的霊魂と肉体とからなる真の人間である。
同じかたが神性において父と同一本質のものであるとともに、人間性においてわれわれと同一本質のものである。「罪のほかはすべてにおいてわれわれと同じである」
神性においては、この世の前に父から生まれたが、この同じかたが、人間性においては終わりの時代に、われわれのため、われわれの救いのために、神の母、処女マリアから生まれた。
彼は、唯一・同一のキリスト、主、ひとり子として、二つの本性において混ぜ合わされることなく、変化することなく、分割されることなく、引き離されることなく知られるかたである。
子の結合によって二つの本性の差異が取り去られるのではなく、むしろ各々の本性の特質は保持され、唯一の位格、唯一の自立存在に共存している。
彼は二つの位格に分けられたり、分割されたりはせず、唯一・同一のひとり子、神、ことば、イエス・キリストである。
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